XMTradingで「あと少しで戻ると思っていたポジションが、気づいたら全部消えていた」という経験は、証拠金維持率を数字で管理していないときにほぼ確実に起きます。ロスカットは20%、マージンコールは50%——この2つの数字だけは、公式サイトにも利用規約にもはっきり書かれています。
ただ、水準を知っているだけでは足りません。10万円の口座でドル円を1ロット持つと、ロスカットまでの余裕は96.9pips。マージンコールが出てから強制決済までは、わずか4.7pipsです。この記事では、XM公式の証拠金・レバレッジページ、利用規約48条と47.9条、公式の計算ツール、そして銘柄データAPIを2026年9月3日〜4日に照合し、その数字だけで解説します。
- ロスカットは証拠金維持率20%、マージンコールは50%。口座タイプ・銘柄を問わず全口座共通(規約48.2条・48.4条)
- 決済は一括ではなく損失の大きいポジションから1つずつ。20%を回復した時点で止まる
- 残高10万円・ドル円1ロットなら耐えられるのは96.9pips。「維持率500%を保つ」は建てた瞬間から成立しない
- ゼロカットは無条件ではない。規約47.9条は不適用にできる条件と、別口座の資金で相殺する権利を定めている
| 水準 | そのとき起きること | |
|---|---|---|
| 新規注文が通らない | 100%以下 | 余剰証拠金が0になり 追加のポジションを建てられない |
| マージンコール | 50% | MT4/MT5の数値が赤くなる メールもプッシュ通知も来ない |
| ロスカット | 20% | 損失の大きい順に強制決済 逆指値より優先される |
| ゼロカット | 残高がマイナス | 0にリセット ただし規約47.9条の除外あり |
検証日:2026年9月4日/XMTrading公式サイトの「証拠金とレバレッジ」ページ、Tradexfin Limited 利用規約(英語・47〜48条)、公式ヘルプセンター、公式オールインワン計算ツール、銘柄スペックAPIで確認。ドル円のレートは2026年9月3日時点の155.41円で計算しています。
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XMのロスカットは証拠金維持率20%・マージンコールは50%

XMのロスカット水準は証拠金維持率20%、マージンコールは50%です。どちらも公式サイトの「証拠金とレバレッジ」ページに日本語で明記されています。口座タイプやレバレッジ設定を変えても、この2つの数字は動きません。

出典:XMTrading公式サイト「証拠金とレバレッジ」(2026年9月4日取得)
公式の書き方に注意してください。「維持率が20%を下回ったら」ではなく「有効証拠金が必要証拠金の20%まで下がると」と書かれています。基準になるのは残高ではなく、含み損益とクレジットを反映した有効証拠金です。この違いが、あとで計算するときに効いてきます。
全口座タイプ共通で、銘柄によっても変わらない
スタンダード・マイクロ・KIWAMI極・ゼロの4口座すべてで20%です。利用規約48.4条は「For all trading accounts the Stop-out Level is equal to 20%」と書いており、口座タイプごとの例外を置いていません。株式CFDでも暗号資産でも同じ20%です。
変わるのは必要証拠金のほうです。レバレッジが銘柄ごとに違うため、同じ0.1ロットでも必要証拠金は10倍以上ちがいます。ここは後半の耐えられる値幅の計算で銘柄別に出します。

利用規約48条が定義している2つの水準
規約48.2条は50%を「Margin Call Level」と定義し、この時点で新しいポジションを建てられなくなると書いています。48.4条は20%を「Stop-out Level」と定義し、最も損失の大きいポジションから決済を始めると書いています。48.3条は、この水準に達したかどうかを見張る責任が完全に顧客側にあると明記しています。
50%・20%・決済順序・注文の優先順位が書かれた規約48条の原文(英語・クリックで開く)

出典:Tradexfin Limited「Client Agreement – Terms and Conditions of Business」48.2〜48.6条(2026年9月4日取得)
公式ヘルプセンターで「マージンコール」を検索すると0件
XMの公式ヘルプセンターには300問以上のFAQがありますが、「マージンコール」「証拠金維持率」「マイナス残高」「追証」はいずれも検索結果0件です。「ロスカット」で唯一ヒットする1件も、デモコンテストの失格ラインを説明した記事で、実際の取引のロスカットとは別の話です。

出典:XMTrading公式ヘルプセンターの検索結果(2026年9月4日)
つまり、ロスカットについて日本語で書かれた公式の説明は「証拠金とレバレッジ」ページの数行しかありません。細かい挙動を確かめようとすると英語の規約に当たるしかない——これが、この分野に古い情報や誤った情報が残り続けている理由です。
橘さくら「ロスカットは50%」って書いてある解説をよく見かけるけど、それはマージンコールの数字とごちゃ混ぜになってるだけだよ
ロスカットは一度に全部ではなく、損失の大きい順に1つずつ


維持率が20%を割ったとき、保有中のポジションが全部まとめて決済されるわけではありません。XMのシステムはいちばん損失の大きいポジションを1つ決済し、それで維持率が20%を上回ればそこで止まります。回復しなければ、次に損失の大きいものを決済します。


規約48.4条の原文は「starting from the least profitable position and until the Margin Level requirement is met」。いちばん利益が乗っていないポジションから、必要な維持率を満たすまでという意味です。3ポジション持っていて1つだけ大きく負けている場合、その1つが切られて残り2つは生き残ることがあります。
逆に言えば、含み損が分散していると全部が順番に切られていきます。同じ通貨ペアで買い増しを繰り返した口座は、1つ決済しても維持率がほとんど戻らないため、連鎖的に全滅しやすい構造になります。
損切りの逆指値を置いていてもロスカットが優先する
規約48.6条は、この1文だけ全部大文字で書かれています。マージンコールとロスカットは、ほかのどの注文タイプよりも優先して執行される。つまり「損切りを置いてあるから大丈夫」は成立しません。逆指値に届く前に維持率が20%を割れば、逆指値ではなくロスカットのほうが先に走ります。
A MARGIN CALL OR, AS THE CASE MAY BE, STOP-OUT, WHEN TRIGGERED, WILL TAKE PRECEDENCE OVER OTHER ORDER TYPES.(規約48.6条)
さらに48.5条には、逆指値や指値がロスカットとまったく同じ価格に置かれていた場合の扱いが書かれています。その価格にタッチした(または窓を開けて飛び越えた)時点でロスカットが執行され、その取引に紐づく待機注文はすべてキャンセルされます。決済と同時に置いていたOCO注文も消えます。



損切り注文はロスカットの代わりにはならないんだ。ロスカットに届く「手前」に置いて初めて意味を持つよ
残高10万円で何pips耐えられるのか【ロット数別・銘柄別】


ここが本題です。残高10万円・ドル円・レバレッジ1000倍で、1ロットなら96.9pips、0.5ロットなら196.9pips、0.1ロットなら996.9pips。ロット数を倍にすると耐えられる値幅はほぼ半分になります。
まず必要証拠金を出す(式は2つだけ)


必要証拠金 = ロット数 × 契約サイズ × 価格(円換算)÷ レバレッジ
ドル円を1ロット(10万通貨)、レバレッジ1000倍、1ドル155.41円で計算すると 100,000 × 155.41 ÷ 1000 = 15,541円。XM公式のオールインワン計算ツールに同じ条件を入れても、必要証拠金は15,541円、ピップ値は1,000円と表示されます。


出典:XMTrading公式「オールインワン計算ツール」(2026年9月4日・JPY口座/USDJPY/1:1000/Standard/1ロット)
契約サイズは口座タイプで変わります。スタンダードは1ロット=10万通貨、マイクロは1ロット=1,000通貨。同じ「1ロット」でも必要証拠金は100倍ちがうので、マイクロ口座の数字をスタンダードの感覚で読まないでください。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
有効証拠金は残高 + クレジット(ボーナス)± 含み損益です。ボーナスも維持率の計算に入るため、口座開設ボーナスの13,000円を持っているだけで維持率は底上げされます。逆に、ボーナスが失効すると何もしていなくても維持率が下がります。
ロット数別・ロスカットまでの値幅(残高10万円・ドル円)
| ロット数 | 必要証拠金 | 建てた直後の維持率 | ロスカットまで |
|---|---|---|---|
| 0.1ロット | 1,554円 | 6,435% | 996.9pips (9.97円) |
| 0.3ロット | 4,662円 | 2,145% | 330.2pips (3.30円) |
| 0.5ロット | 7,770円 | 1,287% | 196.9pips (1.97円) |
| 1ロット | 15,541円 | 643% | 96.9pips (0.97円) |
| 2ロット | 31,082円 | 322% | 46.9pips (0.47円) |
| 3ロット | 46,623円 | 214% | 30.2pips (0.30円) |
残高10万円・ほかにポジションなし・レバレッジ1000倍・1ドル155.41円で計算。スプレッドとスワップは含みません。
2ロットの46.9pipsは、ドル円が0.47円動くだけの距離です。米雇用統計の発表直後なら数分で通過する値幅で、指標をまたいで2ロット持つのは、10万円の口座では実質的にコイン投げになります。
マージンコールからロスカットまでは4.7pipsしかない


| 証拠金維持率 | 有効証拠金 | 含み損 | 建値からの値幅 |
|---|---|---|---|
| 643%(建てた直後) | 100,000円 | 0円 | 0pips |
| 500% | 77,705円 | 22,295円 | 22.3pips |
| 250% | 38,852円 | 61,148円 | 61.1pips |
| 100%(新規注文が不可) | 15,541円 | 84,459円 | 84.5pips |
| 50%(マージンコール) | 7,770円 | 92,230円 | 92.2pips |
| 20%(ロスカット) | 3,108円 | 96,892円 | 96.9pips |
この表でいちばん重要なのは最後の2行です。マージンコールの92.2pipsからロスカットの96.9pipsまで、距離は4.7pipsしかありません。「赤字表示を見てから対応する」という発想が現実的でないことが、数字で分かります。
もうひとつ。1ロット建てた直後の維持率は643%で、22pips動いただけで500%を割ります。「維持率500%以上をキープしましょう」というアドバイスは、この口座では最初から守れません。
銘柄が変わると必要証拠金も耐える幅も一桁変わる
レバレッジは銘柄ごとに上限が決まっています。ドル円と金は1000倍ですが、日経225は500倍、Nvidiaなどの株式CFDは10倍。同じ「0.1ロット」でも必要証拠金がまったく違うため、ロスカットまでの距離も変わります。
| 銘柄 | レバレッジ | 必要証拠金 | ロスカットまで | 現在値から |
|---|---|---|---|---|
| USDJPY 0.1ロット | 1000倍 | 1,554円 | 996.9pips | 6.4% |
| GOLD 0.1ロット | 1000倍 | 6,981円 | 63.4ドル | 1.4% |
| JP225Cash 10ロット | 500倍 | 1,291円 | 9,974円 | 15.5% |
| BTCUSD 0.1ロット | 1000倍 | 1,264円 | 6,418ドル | 7.9% |
| Nvidia 1ロット(10株) | 10倍 | 35,343円 | 59.8ドル | 26.3% |
残高10万円・単独ポジション。価格は2026年9月3日のミッドレート(USDJPY 155.41/GOLD 4,491.91ドル/JP225Cash 64,556円/BTCUSD 81,329ドル/Nvidia 227.42ドル)。契約サイズとレバレッジはXM公式の銘柄データより。
並べてみると、必要証拠金が重い銘柄ほど耐えられるという関係が見えます。Nvidiaはレバレッジ10倍で35,343円と重いぶん、株価が26%下げるまで持ちこたえます。逆に金の0.1ロットは証拠金が6,981円と軽いのに、1.4%——約63ドル動けばロスカットです。金が1日で60ドル動く日は珍しくありません。


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「維持率500%以上を保つ」が1ロット持った時点で成立しない理由


証拠金維持率はポジションを建てた瞬間にほぼ決まってしまう数字です。あとから「保つ」ことはできません。決められるのはロット数のほうで、維持率はその結果として出てくる値にすぎない、と考えたほうが管理しやすくなります。
残高10万円でドル円を1ロット建てた直後の維持率は643%。この時点ですでに「500%以上」の水準まで22.3pipsしかありません。目標を維持率で決めた瞬間に、その目標は守れなくなっています。
目標の維持率を「持てるロット数」に翻訳する
維持率を目標にするなら、それをロット数の上限に置き換えてから注文してください。残高10万円・ドル円・1000倍なら、次のようになります。
| 建てた直後に保ちたい維持率 | 必要証拠金の上限 | 持てるロット数 | 実効レバレッジ |
|---|---|---|---|
| 2,000% | 5,000円 | 0.32ロット | 50倍 |
| 1,000% | 10,000円 | 0.64ロット | 100倍 |
| 500% | 20,000円 | 1.28ロット | 200倍 |
| 250% | 40,000円 | 2.57ロット | 400倍 |
| 100% | 100,000円 | 6.43ロット | 1,000倍 |
この表には落とし穴があります。維持率500%を保てるロット数は1.28ロット——つまり、1ロットどころか1.28ロットまで建てても「500%」という数字は出せてしまいます。しかし1.28ロットは1pipsで約1,290円動く建玉で、10万円の口座では75pipsで飛びます。
維持率が高く見えるのは、レバレッジ1000倍によって必要証拠金の分母が極端に小さくなっているからです。ハイレバレッジの口座では、維持率は安全性の指標として機能しません。
代わりに見るべきは「実効レバレッジ」
実効レバレッジは、ポジションの取引総額 ÷ 有効証拠金で出します。10万円の口座でドル円1ロット(取引総額1,554,100円)なら、実効レバレッジは約16倍。口座設定の1000倍とはまったく別の数字です。


ロスカットまでの変動率は、実効レバレッジからほぼ一発で出ます。
ロスカットまでの変動率 ≒ 1 ÷ 実効レバレッジ
| 実効レバレッジ | ロスカットまでの変動率 | ドル円なら | 10万円で持てる量 |
|---|---|---|---|
| 10倍 | 9.98% | 1,551pips | 0.06ロット |
| 25倍 | 3.98% | 619pips | 0.16ロット |
| 50倍 | 1.98% | 308pips | 0.32ロット |
| 100倍 | 0.98% | 152pips | 0.64ロット |
| 200倍 | 0.48% | 75pips | 1.29ロット |
口座レバレッジ1000倍・ロスカット20%・1ドル155.41円の場合。厳密には「1÷実効レバレッジ −0.2÷口座レバレッジ」ですが、1000倍では後半の項が0.02%しかないため誤差になりません。
実効レバレッジが決まれば、口座のレバレッジ設定を1000倍から100倍に落としても耐えられる値幅はほとんど変わりません(152pipsが対応する実効100倍のケースで、変動率の差は0.02%)。レバレッジを下げることは、ロスカットを遠ざける対策としてはほぼ無意味です。
ハイレバのほうがロスカットは「遠い」
同じロット数で比べると、レバレッジが高いほど必要証拠金は小さく、ロスカット時に口座に残る金額も小さくなります。つまりハイレバのほうが最後まで粘れる——ただし、その粘りの代償は「より多く失ってから切られる」ことです。
| 口座レバレッジ | 必要証拠金 | 耐えられる値幅 | ロスカット後に残る額 |
|---|---|---|---|
| 1,000倍 | 1,554円 | 996.9pips | 311円 |
| 500倍 | 3,109円 | 993.8pips | 622円 |
| 100倍 | 15,543円 | 968.9pips | 3,109円 |
| 25倍 | 62,173円 | 875.7pips | 12,435円 |
残高10万円・ドル円0.1ロットで固定・ロスカット20%。25倍は口座に設定できる最低水準ではなく、国内FXとの比較用に並べています。
危険なのはレバレッジそのものではなく、ハイレバによって大きなロット数を建てられてしまうことです。1000倍だと10万円で6.43ロットまで注文が通ります。25倍なら0.16ロットが上限で、そもそも建てられません。



レバレッジを下げても安全にはならないよ。安全になるのは「ロット数を下げたとき」だけ
維持率100%・50%・20%で実際に何が起きるか
維持率が下がる過程で起きることは3段階です。100%で新規注文が通らなくなり、50%で表示が赤くなり、20%で決済が始まります。このうちXMから能動的に届く通知はひとつもありません。
100%以下:新しいポジションが建てられない
維持率が100%を割ると、余剰証拠金(有効証拠金 − 必要証拠金)がマイナスになります。この状態で新規注文を出すと、MT4/MT5は「証拠金不足です」と表示して注文を拒否します。
- 保有中のポジションはそのまま維持される。決済も部分決済もできる
- 建てられなくなるのは新規注文だけ。ナンピンも両建て以外の追加も止まる
- ドル円・金・銀の両建てだけは必要証拠金が0なので、100%を割っていても建てられる
規約48.2条は、この「新規ポジションを建てられない」状態をマージンコール(50%)の説明として書いています。実際のMT4/MT5では余剰証拠金が足りない時点で弾かれるため、体感では100%あたりが境界になります。
50%:マージンコール(通知は来ない)
50%に達すると、MT4/MT5のターミナル画面で残高・有効証拠金・証拠金維持率の数値が赤字に変わります。公式サイトは「MT4/MT5プラットフォーム上に警告が表示されます」と書いており、メール・SMS・プッシュ通知の記載はどこにもありません。
規約48.3条は、この点を明確に顧客責任としています。「All clients are fully and personally responsible for monitoring the activity of their Accounts」——口座が今どうなっているかを見張るのは全面的に顧客の側である、と書かれています。
そして前述のとおり、50%から20%までは1ロットでたった4.7pips。画面を開いていなければ、赤字表示を見る前に決済が終わっています。
20%:ロスカット
有効証拠金が必要証拠金の20%まで落ちた時点で、損失の大きいポジションから決済が始まります。MT4/MT5の取引履歴では、決済行のコメント欄にso: で始まる表示(stop out の略)が残るため、あとから「これはロスカットだった」と確認できます。
残高10万円・1ロットのケースなら、ロスカット後に残るのは3,108円。10万円のうち96,892円を失った状態です。「20%残る」わけではなく、残るのは必要証拠金の20%であって、残高の20%ではありません。ここは誤解が多い部分です。
週明けの窓開けや指標発表の急変では、20%ちょうどで止まらないこともあります。ギャップを飛び越えた場合は、20%より下の価格で約定します。残高がマイナスまで行った場合の扱いは次の章で説明します。
ゼロカット(マイナス残高リセット)は無条件ではない


ロスカットが間に合わず残高がマイナスになっても、XMは0にリセットします。公式ヘルプの「入金額以上の損失を被る可能性はありますか?」への回答は「いいえ、当社ではマイナス残高リセットをすべてのお客様に提供しております」。国内FXのような追証は発生しません。
ただし利用規約47.9条は、この保護を適用しない権利を留保しています。ここを書いている記事はほとんどありません。


規約47.9条が定める3つの除外
47.9条は前段でマイナス残高保護を「口座単位(on a per account basis)」と定義したうえで、後段で次の場合を規約違反とし、保護を適用しないことがあると明記しています。
- アービトラージ(単独でも、他の顧客と組んだものでも。リスクフリーの利益取りを含む)
- 濫用的な取引(相場リスクを取らず、金銭的な利益だけを目的とした取引パターン)
- 他者と協調した内部両建て、および「マイナス残高なし」の仕組みそのものの濫用
そして47.9条の最後の一文が重い。「別の取引口座にある資金の一部または全部を移して、マイナス残高を相殺する権利を留保する」と書かれています。口座を分けていても、違反と判断されれば無関係ではいられません。
ゼロカットの不適用と他口座からの相殺が書かれた規約47.9条の原文(英語・クリックで開く)


出典:Tradexfin Limited「Client Agreement – Terms and Conditions of Business」47.9条(2026年9月4日取得)
普通に相場を読んで負けた結果のマイナス残高は、当然この除外には当たりません。引っかかるのは「値動きのリスクを取らずに仕組みだけで利益を取ろうとした」と判断される取引です。複数口座での完全両建てや、他人と示し合わせた反対売買はここに触れます。
「追証」は公式のどこにも書かれていない
XMの公式ヘルプで「追証」を検索すると0件です。用語として存在しないのは、制度として持っていないからです。国内FXが「毎営業日クローズ時点で維持率100%未満なら追加証拠金が発生」と規定しているのに対し、XMには同種の条文がありません。


両建てはロスカット対策になるのか
XMは同一口座内の両建てを認めています。しかもFX・ゴールド・シルバーの両建て部分は必要証拠金がゼロなので、維持率が100%を割っていても反対ポジションを建てられます。ここまでは公式ヘルプ「両建て取引を認めていますか?」に書かれているとおりです。
| 両建てする銘柄 | 両建て部分の必要証拠金 | 維持率100%未満でも建てられるか |
|---|---|---|
| FX・ゴールド・シルバー | 0% | 建てられる |
| 上記以外の全銘柄 (株価指数・暗号資産・株式CFDなど) | 50% | 最終的な必要証拠金が 有効証拠金以下のときだけ |
出典:XMTrading公式ヘルプセンター「両建て取引を認めていますか?」(2026年9月4日確認)
ただし、両建てがロスカットを止めるわけではありません。規約48.4条の後段はわざわざこう釘を刺しています。「hedged positions are also subject to margin requirements in case the equity of your Account has entered into a negative territory」——有効証拠金がマイナス圏に入れば、両建て済みのポジションにも証拠金要件がかかり、自動ロスカットが動きます。
実務上の落とし穴はスプレッド分の含み損とスワップです。両建てした瞬間、往復のスプレッドがそのまま含み損として乗ります。買いと売りの両方にマイナススワップがつく通貨ペアなら、放置するほど有効証拠金が減っていきます。「動かないから安全」ではありません。
なお、2つの異なる口座をまたいだ両建ては公式に禁止されています(同ヘルプ)。前章のゼロカット除外にも直結するので、口座を分けてヘッジする発想は捨ててください。



両建ては「時間を買う」だけ。決済の順番を先送りしてるうちにスプレッドとスワップで削られるよ
海外4社・国内3社のロスカット水準を並べる


海外FXのロスカット水準は20%前後が標準ですが、Exnessだけは0%という異例の設定です。国内FXはすべて50%で、代わりに追証があります。すべて各社の公式サイト・公式ヘルプ・利用規約から取った数字です。
| 業者 | ロスカット | マージンコール | ゼロカット | ロスカット手数料 | 追証 |
|---|---|---|---|---|---|
| XMTrading | 20% | 50% | あり | 無料 | なし |
| Exness | 0% (株式は100%になる場合あり) | スタンダード60% プロ系30% | あり | 無料 | なし |
| Axi | MT4/MT5 20% Axi取引アプリ 50% | 100% | あり | 無料 | なし |
| Vantage | 公式内で 10%/20%/50%と不一致 | 100%(規約11条) | あり | 無料 | なし |
| DMM FX | 50%以下 | 70%でアラートメール | なし | 無料 | あり |
| GMOクリック証券 (FXネオ) | 50%未満 | 100%未満でアラート | なし | 1万通貨500円 | あり |
| SBI FXトレード | 50%未満 (20秒ごとに判定) | 100%・60%で通知 | なし | 無料 | あり |
出典(すべて2026年9月4日確認):XM「証拠金とレバレッジ」と利用規約48条/Exness公式ヘルプ「マージンコールおよびストップアウトレベル(口座タイプ別)」/Axi公式ヘルプ「マージンストップアウト(強制決済)レベルとは何ですか?」「マージンコール」/Vantage公式サイト・ヘルプ・顧客規約11条/DMM FX「ロスカットとは?」「追加証拠金制度」/GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール」/SBI FXトレード「取引ルール」
「水準が低い=優しい」ではない
ロスカット水準が低いほどトレーダーに有利、という説明をよく見かけます。実態は逆で、低い水準は「より多く失ってから切られる」ことを意味します。残高10万円でドル円0.1ロットを持ったときの比較がこれです。
| XM 1000倍・20% | 国内FX 25倍・50% | |
|---|---|---|
| 必要証拠金 | 1,554円 | 62,164円 |
| 耐えられる値幅 | 996.9pips | 689.2pips |
| 失う金額 | 99,689円 | 68,918円 |
| 口座に残る額 | 311円 | 31,082円 |
XMのほうが307pips長く粘れますが、そのぶん30,771円多く失います。国内FXは早めに切られる代わりに31,082円が手元に残る。どちらが良いかは「粘りたいのか、資金を残したいのか」で変わります。
XM側の実質的な強みは、ロスカット水準そのものではなく追証がないこととロスカット手数料がないことです。GMOクリック証券は自動ロスカット時に1万通貨あたり税込500円がかかるため、10万通貨(1ロット相当)の強制決済で5,000円が別途引かれます。



「ロスカット20%だから安心」じゃなくて、「追証がないから借金にはならない」が正しい理解だよ
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XMでロスカットされないためにやること5つ
維持率をこまめに見る、という対策は前章の4.7pipsの前では機能しません。建てる前に決めておくことに絞ると、やるべきことは5つです。
1. ロット数の上限を先に決める
「何pips動いても耐えたいか」から逆算します。ドル円で300pips耐えたいなら実効レバレッジ50倍が上限で、10万円なら0.32ロットまで。この計算を注文画面を開く前に済ませておくのが、いちばん効きます。
持てるロット数 = 有効証拠金 × 実効レバレッジ ÷(契約サイズ × 円換算した価格)
2. ロスカットされる価格を先に計算しておく
維持率ではなくチャート上の価格で持っておくと、判断が速くなります。ドル円1ロットを155.41円で買った場合、96.9pips下の154.44円がロスカットライン。この数字をチャートに水平線で引いておけば、維持率を見る必要はありません。
必要証拠金とピップ値はXM公式の計算ツールで出せます。ロット数を変えながら見比べると、自分の資金でどこまでが現実的かがすぐ分かります。
\ 必要証拠金とピップ値を1分で /
3. 逆指値はロスカットラインより手前に置く
規約48.6条により、ロスカットは逆指値より優先します。逆指値をロスカットラインと同じか、それより遠くに置いても意味がありません。154.44円がロスカットなら、逆指値は155.00円のように必ず手前に置いてください。
48.5条のとおり、同値だった場合はロスカットが執行され、その取引に紐づく待機注文はキャンセルされます。「どちらが先に約定するか」は運任せにしないほうが安全です。
4. 自分では動かしていないのに維持率が下がる4つの要因
ポジションを触っていなくても有効証拠金は減ります。夜のうちに維持率が落ちていた、というときの原因はだいたいこの4つです。
| 要因 | いつ起きるか | 効き方 |
|---|---|---|
| マイナススワップ | 日本時間の朝7時 (夏時間は6時) | 有効証拠金が減る 水曜と金曜は3倍 |
| スプレッド拡大 | 早朝・指標発表時 週明けの窓開け | 含み損が広がり 維持率が急落する |
| ボーナスの失効・消滅 | 出金・資金振替のとき | クレジットが減ると 有効証拠金も減る |
| レバレッジ区分の変更 | 有効証拠金が 4万ドルを超えたとき | 必要証拠金が増え 維持率の分母が膨らむ |
3つめは見落としやすいポイントです。ボーナスは有効証拠金に含まれるため、出金するとクレジットが比例して消え、その分だけ維持率が下がります。ポジションを持ったまま出金申請をすると、思ったより維持率が落ちることがあります。
5. レバレッジ区分の境界をまたがない
XMのレバレッジは口座の有効証拠金で自動的に切り替わります。4万ドルを超えると1000倍から500倍へ落ち、必要証拠金が2倍になります。ポジションを持ったまま入金して区分をまたぐと、維持率が半分になる計算です。


出典:XMTrading公式サイト「証拠金とレバレッジ」のレバレッジ区分(2026年9月4日取得)
Zero口座だけは別枠で、有効証拠金5ドル〜8万ドルの範囲で最大500倍です。区分をまたぎそうな残高で運用しているなら、入金のタイミングはポジションを閉じてからにしてください。
XMのロスカット・証拠金維持率についてよくある質問


まとめ:見るのは維持率ではなくロット数
XMのロスカットは維持率20%、マージンコールは50%。この2つは全口座タイプ・全銘柄で共通で、公式サイトと利用規約48条で確認できます。決済は一括ではなく損失の大きい順に1つずつ進み、逆指値より優先して執行されます。
ただ、この記事でいちばん持ち帰ってほしいのは水準の数字ではありません。残高10万円でドル円を1ロット持った瞬間、ロスカットまでの距離は96.9pipsに固定される——ポジションを建てた時点で結果の大半は決まっている、ということです。
- 何pips耐えたいかを決め、実効レバレッジ(1÷変動率)からロット数の上限を出す
- ロスカットされる価格を計算し、チャートに水平線で引いておく
- 逆指値はその手前に置く。同値以降ではロスカットが先に動く(規約48.6条)
そしてゼロカットは、あくまで最後の安全装置です。追証がないぶん借金は残りませんが、規約47.9条には不適用の条件と他口座からの相殺が書かれています。守ってくれる制度に寄りかからずに、建てる前の1分でロット数を計算しておく——それがロスカットを遠ざける唯一の方法です。
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