Exnessのゼロカットは「即時執行だから入金のタイミングを気にしなくていい」「複数口座の両建てでも執行される」と説明されることが多い機能です。
しかし公式ヘルプを読むと、「マイナス残高が0にリセットされるまで待つことを強くお勧めします」と書かれています。しかもExnessの日本語ヘルプ241本を全文検索しても「ゼロカット」という言葉は1件も出てきません。
坂本彩花えっ、即時じゃないの?ずっとそう聞いてたけど



公式が使っているのは「マイナス残高保護」と「NULL操作」という言葉だよ。発動の条件も、効かないケースも、ちゃんとヘルプに書いてあるの
この記事では、Exnessの公式ヘルプと顧客契約の原文だけを根拠に、マイナス残高保護が発動する条件・発動しないケース・広まっている誤解の出どころを整理します。
- 出典: Exness公式ヘルプ(日本語版・241記事を全文検索)/顧客契約 Version: 24 July 2026 /038/取扱銘柄は公式サイトの銘柄APIの実測値
- 日本の居住者が契約する法人は Exness (SC) Ltd(セーシェルFSA・ライセンス番号 SD025)
- 検証日: 2026年9月10日
Exness(エクスネス)のゼロカットの結論|公式に「ゼロカット」という言葉はない


先に結論をまとめます。よく紹介されている3つの説明は、いずれも公式の記載と食い違っています。


| よくある説明 | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|
| ゼロカットは即時執行。待ち時間なし | 「0にリセットされるまで待つことを強くお勧めします」「完了する前に取引を継続する必要がある場合は新しい取引口座を作成して」 |
| 複数口座の両建てでもゼロカットが執行される | 「有効証拠金がマイナスで残高がプラスの取引口座は、マイナス残高保護の対象とはなりません」 |
| ミッド価格と仮想バッファでロスカット判定される | 日本語241記事・英語241記事のどちらにも該当する記載なし |
| ゼロカットに関する禁止事項はない | 顧客契約 PART C 2.5条が exploitation of our ‘negative balance’ policy を禁止類型に列挙 |
| ロスカットレベルは全口座タイプで一律0% | 「株式の場合、ストップアウトレベルが100%に引き上げられることがあります」 |
公式用語は「マイナス残高保護」と「NULL操作」
Exnessの日本語ヘルプ241記事を全文検索すると、「ゼロカット」という語の出現は0件です。英語版241記事にも “zero cut” はありません。
公式が使っているのは次の2語です。
- マイナス残高保護(Negative Balance Protection)|「取引口座に入金した金額以上の損失を負うことがないように保証するもの」という制度そのものの名前
- NULL操作|マイナス残高を実際に0へ戻す処理の名前。取引プラットフォームの履歴には D-null と表示される
用語の違いは細かい話に見えますが、サポートに問い合わせるときや履歴を確認するときは、この2語でないと話が通じないため、実務上は重要です。
よくある説明はどこから来たのか
「即時執行」も「ミッド価格」も、公式の記載ではなく解説記事の間で引き写されてきた説明です。実際、Google検索の生成AIによる概要も「マイナス残高が発生すると、申請不要で即時自動的にゼロへリセットされます」と断定しています。
ただし公式ヘルプは、後述するとおり「待つことを強くお勧めします」と明記しています。この記事では、どちらが正しいかではなく、公式が実際に何と書いているかを示します。
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そもそもゼロカット(マイナス残高保護)とは|国内FXの追証との違い


仕様の詳細に入る前に、この機能が何のためにあるのかを整理します。すでに理解している方は次の章へ進んでください。
入金額を超える損失が出るのはどんなときか
FXでは、証拠金維持率が下がると自動的にポジションが決済されます(ストップアウト)。通常はこの時点で損失が止まりますが、決済が間に合わず、残高がマイナスまで振り切れてしまうケースがあります。
- 週明けの窓(ギャップ)|週末に大きなニュースが出ると、月曜の始値が金曜の終値から大きく離れて始まる。その間の価格では約定できない
- 経済指標や要人発言での急変|一瞬で数十pips動くと、ストップアウトの判定と実際の約定価格がずれる
- 残高に対して大きすぎるロット|含み損が膨らむ速度が速く、判定が追いつかない
このときに残ったマイナス分を、業者が負担して残高を0に戻すのがマイナス残高保護です。
国内FXは追証、海外FXはマイナス残高保護


国内のFX業者に同じ仕組みはありません。金融商品取引法が、業者が顧客の損失を補填することを原則として禁止しているためです。国内では不足分が追証(追加証拠金)として請求され、支払えなければ債務として残ります。
海外FX業者はこの規制の対象外なので、マイナス分を業者が引き受けられます。最大損失が「入金した金額」で確定するというのが、国内FXと海外FXの最も大きな違いです。
- マイナス残高保護は入金額が守られる仕組みではありません。守られるのは「入金額より下に落ちないこと」だけで、入金額そのものは全額失われうる
- 損失が出ないわけでも、決済価格が保証されるわけでもありません
損切り → ストップアウト → マイナス残高保護の3段階
リスクを止める仕組みは3段階に分かれています。手前で止まるほど損失は小さくて済みます。
- 損切り(自分で決済)|損失額を自分で決められる。ここで止めるのが基本
- ストップアウト(強制決済)|証拠金維持率が0%に達すると、利益の低い注文から順に自動決済される
- マイナス残高保護(NULL操作)|②でも止まらず残高がマイナスになったときの最後の砦



③が働くのは「②が間に合わなかったとき」だけ。頻繁に③のお世話になっているなら、ロットが大きすぎるサインだよ
Exness(エクスネス)のゼロカットが発動する2つの条件と「D-null」


公式ヘルプ「マイナス残高保護」は、NULL操作(=残高を0に戻す処理)が行われる条件を1つの文で書いています。


「取引口座のすべての注文がストップアウトにより決済され、取引口座の残高がマイナスである場合に限り、NULL操作が行われます。これは自動プロセスであり、手動で実行することはできません。」


条件1|すべての注文がストップアウトで決済されること
ポイントは「すべての」と「ストップアウトにより」の2つです。自分で決済した注文が残っている状態や、一部の注文だけが決済された状態は、この条件を満たしません。
ストップアウトは、証拠金維持率が0%に達したときに利益の低い注文から順に自動決済される仕組みです。維持率が0%より高くなるまで決済が続くため、途中で止まれば「すべての注文が決済された」状態にはなりません。
条件2|口座の残高がマイナスであること
ここでいうのは残高(Balance)であって、有効証拠金(Equity)ではありません。この違いが、後述する「両建てには効かない」という話の核心になります。
- 残高|決済が済んだ損益まで反映した金額。未決済ポジションの含み損益は入らない
- 有効証拠金|残高に未決済ポジションの含み損益を加えた金額
証拠金維持率=(有効証拠金 ÷ 必要証拠金)× 100%。ストップアウトの判定に使うのは有効証拠金、NULL操作の判定に使うのは残高です。
数字で追う|ストップアウトからNULL操作までの流れ
公式ヘルプの計算式と例に沿って、実際の数字で追ってみます。証拠金維持率=(有効証拠金 ÷ 必要証拠金)× 100% です。
| 時点 | 残高 | 有効証拠金 | 証拠金維持率 | 起きること |
|---|---|---|---|---|
| エントリー直後 | 100 USD | 100 USD | 500% | 必要証拠金20 USDでポジション保有 |
| 含み損 -40 USD | 100 USD | 60 USD | 300% | まだ何も起きない |
| 含み損 -70 USD | 100 USD | 30 USD | 150% | マージンコール(スタンダードは60%、プロ系は30%で通知) |
| 含み損 -100 USD | 100 USD | 0 USD | 0% | ストップアウト。利益の低い注文から自動決済 |
| 決済が -150 USD で成立 | -50 USD | -50 USD | — | 残高がマイナスになった |
| NULL操作 | 0 USD | 0 USD | — | 履歴に D-null。50 USDの損失を会社が負担 |
公式ヘルプが挙げている例も同じ形です。「残高が100 USDの取引口座の注文が150 USDの損失を出し、ストップアウトによって決済された場合、-50 USDとマイナスになります。マイナス残高保護により残高が0 USDにリセットされ、50 USDの損失が回避されます」。
注目したいのは4行目から5行目です。維持率0%で決済が始まっても、実際の約定価格しだいで残高はマイナスまで振り切れることが、マイナス残高保護が必要になる理由そのものです。
履歴に「D-null」と表示されたら実行済み
NULL操作が行われると、取引プラットフォームの履歴に「D-null」と表示されます。ゼロカットが実行されたかどうかは、サポートに聞く前にこの表示で自分で確認できます。
公式ヘルプは「NULL操作によって取引口座が無効になることはなく、資金の入金後に再び取引で使用できます」とも書いています。ゼロカットされた口座をそのまま使い続けて問題ありません。
ストップアウトは証拠金維持率0%|ただし株式は100%に上がることがある
Exnessのストップアウトレベルは全口座タイプで0%です。ただし公式ヘルプには、これに続けて重要な注記が2つあります。


- 「株式の場合、市場リスクの増加によりストップアウトレベルが100%に引き上げられることがあります」|個別株CFDを持っているときは0%前提で計算できません
- Exness(KE)Limited・Exness Limited Jordan Ltd 登録の顧客はストップアウト20%|日本の居住者が契約するのは Exness (SC) Ltd なので0%ですが、海外在住で法人が変わると条件も変わります
「ロスカットレベルは全口座タイプで一律0%」という説明は、株式のときの例外を落としているという点で不正確です。
マージンコールは口座タイプで60%と30%に分かれる
ストップアウトの前に届く警告(マージンコール)の水準は、口座タイプで2つに分かれます。
| 口座タイプ | マージンコール | ストップアウト |
|---|---|---|
| スタンダードセント | 60% | 0% |
| スタンダード | 60% | 0% |
| プロ | 30% | 0% |
| ロースプレッド | 30% | 0% |
| ゼロ | 30% | 0% |
スタンダード系は60%で早めに警告が届き、プロ系は30%まで警告が来ません。プロ系のほうが余裕があるように見えますが、実際は気づくタイミングが遅いということでもあります。


ゼロカットが発動しないときに確認する5つのこと
- まだストップアウトが起きていない|証拠金維持率が0%に達していない、またはストップアウト保護で遅延している
- 未決済の注文が残っている|「すべての注文がストップアウトで決済された」という条件を満たしていない
- 残高はプラスのまま|有効証拠金がマイナスでも、残高がプラスなら対象外(次章で詳述)
- NULL操作の処理が完了していない|自動処理だが即時とは書かれていない。履歴の D-null で確認する
- 規約違反が疑われている|顧客契約 11.2条(I) は利益・損失の取消と入金額のみの返金を認めている
1〜4に当てはまらず、履歴にも D-null が出ない場合は、パーソナルエリアのサポートハブからチケットを作成します。公式ヘルプも「失われた残高を回復するためのサポートを申請するには、サポートハブでチケットを作成してください」と案内しています。
そもそも発動させないための3つの実務
マイナス残高保護は最後の砦であって、ここまで来た時点で入金額はすでに全額失っています。実務としては次の3つで十分に避けられます。
- ロットを「入金額の何%まで損失を許容するか」から逆算する|ストップアウトは維持率0%なので、逆に言えば有効証拠金がゼロになるまで決済されません。損切り注文を自分で置かないかぎり、口座の資金は最後まで使い切られます
- 週末の持ち越しはギャップとHMRの両方を見る|週末の休場前後は証拠金所要額の引き上げ(HMR)が適用され、すべての取引商品で休場前は最大3時間・休場明けは1時間、レバレッジに上限がかかります。ポジションを持ったまま週をまたぐなら、余剰証拠金を厚めに残しておきます
- 指標発表の15分前から証拠金が変わると織り込む|影響度の高いニュース発表の15分前から発表の90秒後までに出した新規注文はHMRの対象で、外国為替は1:200、株式は1:5までレバレッジが下がります(既存のポジションは影響を受けません)


「即時執行だから入金タイミングを気にしなくていい」は公式と逆


Exnessのゼロカットは「即時執行」「待ち時間なし」「だから入金のタイミングを心配する必要がない」と説明されることが多い機能です。しかし公式ヘルプは反対のことと書いています。
公式は「リセットされるまで待つことを強くお勧めします」と書いている
先ほどの公式ヘルプの同じ段落に、次の一文があります。
「マイナス残高が0にリセット(NULL操作プロセス)されるまで待つことを強くお勧めします。これは、あらゆる取引プラットフォーム履歴にD-nullと表示されます。」
「即時だから待つ必要がない」のであれば、わざわざ「待つことを強くお勧めします」とは書きませんです。公式が「待つことを強くお勧めします」と書いている以上、処理には時間差がある前提で動くのが安全です。
マイナス残高中に入金すると、入金分が損失の穴埋めに充てられる
公式ヘルプが待つよう勧めている理由は、そのすぐ前の一文にあります。「マイナス残高の取引口座に入金した場合に失われた残高を回復するためのサポートを申請するには、サポートハブでチケットを作成してください」。
つまりマイナス残高が残っている間に入金すると、その入金分がマイナスの穴埋めに使われてしまい、取り戻すにはサポートへの申請が必要になるということです。「入金タイミングを心配する必要はありません」という説明は、この記載と正面から食い違います。


待てないときの公式の推奨は「新しい取引口座を作る」
では、リセットを待っている間に相場が動いてしまう場合はどうするか。公式ヘルプはこう案内しています。
「NULL操作が完了する前に取引を継続する必要がある場合は、残高が失われるリスクを回避して、新しい取引口座を作成して取引を行うことをお勧めします。」
Exnessはパーソナルエリア内で取引口座を追加でき、上限はPA全体で1,630口座です。追加も無料なので、この回避策はすぐ実行できます。
何分待てばいいのか、公式に数字はない
公式ヘルプにも顧客契約にも、NULL操作の所要時間を示す数字は書かれていません。「自動プロセス」であることと「待つよう勧める」ことだけが示されています。
したがって「◯分で完了する」という説明は、どこを探しても一次情報では裏づけられません。実務では時間で判断せず、履歴の表示で判断するのが正解です。
D-nullの確認手順
- MT4ならターミナル → 口座履歴、MT5ならツールボックス → 口座履歴を開く
- 期間を「すべての履歴」に切り替える
- ストップアウトで決済された注文の直後に、D-null という項目が入っているかを確認する
- D-null があればNULL操作は完了。残高が0に戻っているので、そこから入金して取引を再開してよい
公式ヘルプは「これは、あらゆる取引プラットフォーム履歴にD-nullと表示されます」と書いており、MT4・MT5・Exnessターミナルのいずれでも同じ表示になります。



「即時だから気にしなくていい」じゃなくて、「待つのが基本。待てないなら新しい口座を作る」が公式の答えだよ


Exness(エクスネス)の両建てにマイナス残高保護は効かない


「複数口座で両建てして、片方をゼロカットさせ、もう片方の利益を残す」という手法が紹介されることがあります。この手法は成立しませんで、公式ヘルプが計算例まで載せています。
有効証拠金がマイナスでも、残高がプラスなら対象外


公式ヘルプの一文です。「有効証拠金がマイナスで、残高がプラスの取引口座(指値注文の場合に可能)に資金が入金されると、そのマイナスの有効証拠金はマイナス残高保護の対象とはなりません。差額は入金から差し引かれます。」
前章で見たとおり、NULL操作の条件は「残高がマイナスであること」でした。両建てで損失が出ている状態は、含み損なので有効証拠金だけがマイナスになり、決済が済んでいない以上残高はプラスのままです。だから条件を満たしません。


公式が挙げるXAUUSD 1ロットの計算例
公式ヘルプには、そのままの数字で例が載っています。
- 完全ヘッジされた未決済トレードがある口座の残高が 1,000 USD
- XAUUSDの1ロットの買い注文と1ロットの売り注文
- このヘッジ注文の最終結果は -1,050 USD
- 現在の有効証拠金=-50 USD
この状態で100 USDを入金しても、ストップアウトが発生する前にすべての注文を決済する必要があるためNULL操作は発生しません。新しい残高1,100 USD に対して有効証拠金は50 USD となり、50 USDの損失がそのまま残ります。
この計算例が載っている公式ヘルプの原文(クリックで開く)


出典: Exness公式ヘルプ「マイナス残高保護」(記事ID 18055126006044)
ストップアウト保護が効いている間はストップアウト自体が起きない
公式ヘルプは、この例の理由を「通常、ストップアウトは有効証拠金がゼロを下回った際に発生します。しかし、ストップアウト保護が有効になっている場合は、ストップアウトを遅らせることができます」と説明しています。
つまりストップアウト保護が働くほど、ストップアウトが起きず、NULL操作の条件も満たさなくなるという構造です。ストップアウト保護は「ゼロカットを狙う手法」にとっては、むしろ邪魔になります。
「複数口座でゼロカットを狙う」は規約が名指しする禁止類型
仕組みの面で成立しないことに加えて、規約の面でも止められています。顧客契約 PART C 2.5条は禁止取引手法を19種類挙げており、その5番目がexploitation of our ‘negative balance’ policy(マイナス残高ポリシーの悪用)です。
顧客契約 PART C 2.5条の原文(英語・クリックで開く)


出典: Exness 顧客契約 Version: 24 July 2026 /038(51〜52ページ)
同じ条文には「internal hedging within the Client’s account and/or in coordination with other parties(顧客の口座内でのヘッジ、および他者と協調して行うヘッジ)」も並んでいます。措置は全口座の閉鎖・停止、取引の取消、利益の取消、出金拒否まで含まれます。



仕組みでも規約でも止められてるってこと?



そう。二重に止まってるから、この手法は最初から成立しないの。詳しい条文は禁止事項の記事にまとめてあるよ
では両建て自体が禁止なのか|同一口座内は公式機能
ここまで読むと「両建て=すべてダメ」に見えますが、そうではありません。同一口座内で同じ銘柄を売買両方持つヘッジは、Exnessの公式機能です。
公式ヘルプ「ヘッジされた注文」は「すべての口座タイプで、ヘッジ注文に対して必要証拠金は確保されません」と書いています。実際、公式サイトの銘柄データを確認すると、5つの口座タイプ全銘柄で hedged_margin(ヘッジ時の必要証拠金)は0でした。
| 両建てのやり方 | 扱い |
|---|---|
| 同一口座内で同じ銘柄を売買両方 | 公式機能。完全ヘッジなら必要証拠金0 |
| 口座を分けて、市場リスクを相殺したまま条件面のうまみを取る | 2.5条 internal hedging の類型 |
| 口座を分けて、片方をゼロカットさせる前提で組む | 2.5条 negative balance policy の悪用。仕組みでも成立しない |
線引きは手法の名前ではなく、「市場リスクを取る意思があるか」です。相場観にもとづいてリスクを一時的に消すヘッジと、はじめからリスクを消した状態で利益だけ取りに行く構成は、規約上まったく別物として扱われます。


Exness(エクスネス)のストップアウト保護の実際|公式が書いていない仕様が広まっている


ストップアウト保護は「ミッド価格でロスカット判定する」「仮想バッファ=スプレッドの半分×ロット数が付与される」と説明されることがあります。この2つは公式ヘルプに存在しない説明です。
- 「ミッド価格」|日本語ヘルプ241記事中1件のみ。しかもその1件は「ExnessVPSについて」で、取引量をUSDに換算するときの基準通貨のミッド価格の話。ストップアウト判定とは無関係
- 「仮想バッファ」/ “virtual buffer”|日本語・英語とも0件
検索対象: get.exness.help の日本語241記事・英語241記事の本文全文(2026年9月10日時点)


公式が書いているのは3点だけ
- ストップアウトを遅らせ、時には回避できる機能
- スプレッドの拡大によるストップアウトの発生可能性を低減する
- 動的スプレッドを提供しており、ストップアウトを発生させるためにスプレッドを人工的に広げることはない
効果としては「ボラティリティが高い期間やスプレッドが広がっている期間に、判断のための時間を確保できる」と説明されています。判定に使う価格や、付与される金額の計算式は、公式には一切書かれていません。
常に使えるとは限らず、戦略が依存していると無効化される


公式ヘルプの「機能のご利用について」には、次のように書かれています。
- 「常にすべてのお客様にご利用いただけるとは限りません」
- 「提供状況は、お客様の取引条件および取引活動を評価する弊社の数理モデルによって決定されます」
- 「お客様の取引戦略がこれに大きく依存している場合や、不適切に使用された場合も、無効化される可能性があります」
さらに「0%ストップアウトは一部の国ではご利用いただけず、市場状況やお客様の取引状況によっては適用範囲が異なる場合があります」という注記もあります。
PART E 7.1条で取り消せる条件
規約の側でも、ストップアウト保護は取り消せる扱いです。顧客契約 PART E 7.1条は、疑わしい操作があった場合・取引活動が禁止取引手法に該当する場合・デフォルトの場合に、会社がカスタム取引条件・優遇措置を「提供しない、取り消す、終了する、変更する、停止する絶対的な権利」を留保すると定めています。
この「カスタム取引条件」には、ストップアウト保護のほか無制限レバレッジ・スワップフリー・ゼロストップレベルが含まれます。パーソナルエリアの「取引条件」画面で、いま自分の口座に何が適用されているかを確認できます。
自分の口座に何が適用されているかを確認する
カスタム取引条件は口座ごとに違います。パーソナルエリアの「取引条件」画面に、いま適用されているものが一覧で表示されます。
- マイナス残高保護
- ストップアウト保護
- スワップフリーステータス
- ゼロストップレベル
公式ヘルプ「パーソナルエリア:Exnessのメリット」によると、同じ画面の「預金」セクションには、これらの取引条件によって節約できた金額の合計も表示されます。ここに表示されていない条件は、その口座では効いていないので、ハイレバのポジションを持つ前に一度見ておくと確実です。


Exness(エクスネス)でマイナス残高保護が効く銘柄と口座タイプ


マイナス残高保護は口座単位の仕組みで、銘柄ごとの除外規定は公式にありません。ただしそもそも取引できる銘柄数が口座タイプごとに違うため、実質的な対象範囲は口座タイプで大きく変わります。


| 口座タイプ | 取引できる銘柄 | FX | 貴金属 | 株価指数 | エネルギー | 暗号資産 | 株式 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スタンダード | 241 | 106 | 16 | 13 | 3 | 12 | 91 |
| プロ | 241 | 106 | 16 | 13 | 3 | 12 | 91 |
| ゼロ | 216 | 81 | 16 | 13 | 3 | 12 | 91 |
| ロースプレッド | 215 | 80 | 16 | 13 | 3 | 12 | 91 |
| スタンダードセント | 31 | 26 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 |
公式サイトの銘柄データを2026年9月10日に取得して集計した実測値です(取引が有効になっている銘柄のみを数えています)。
セント口座は31銘柄しか取引できない
少額から始める人が選びやすいスタンダードセント口座は、取引できるのが31銘柄だけです。株価指数・エネルギー・株式CFDは1銘柄も扱えません。
「全銘柄がゼロカット対象」という説明そのものは間違っていませんが、セント口座で取引できる銘柄は他タイプの8分の1以下である点は先に知っておくべきです。


完全ヘッジの必要証拠金は全銘柄で0
同じ銘柄データで hedged_margin(ヘッジ時の必要証拠金)を確認すると、5つの口座タイプ・全銘柄で 0でした。公式ヘルプ「ヘッジされた注文」の「すべての口座タイプで、ヘッジ注文に対して必要証拠金は確保されません」という記載と一致します。
ただしこれは同一口座内の完全ヘッジの話です。片方を決済するともう片方のヘッジが外れ、残った注文に必要証拠金がかかります。証拠金所要額が引き上げられている最中は、余剰証拠金が足りずにヘッジを解けなくなることもあります。
マイナス残高保護のお世話になりやすい銘柄
同じ口座タイプでも、銘柄によって残高がマイナスまで振り切れる確率は変わります。値動きが速く、スプレッドが広がりやすい銘柄ほどストップアウトの判定と実際の約定価格がずれやすいためです。
- ゴールド(XAUUSD)などの貴金属|指標時の値幅が大きく、早朝はスプレッドも広がりやすい
- 暗号資産|土日も動く銘柄があり、週末に想定外の変動が起きうる
- 株式CFD|市場リスクが高まるとストップアウトレベルが0%ではなく100%に引き上げられることがある
公式ヘルプ「持ち越し注文の管理手数料について」は、日中取引が中心という前提から外れると、既存の未決済注文も含めて直ちに管理手数料が適用される場合があるとしています。根拠として挙げられているのは顧客契約 第C部2.5項と第E部7.1項です。
1ロット1泊あたり XAUUSD 200 USD / XAGUSD 150 USD / BTCUSD 50 USD / USDJPY・EURUSD 25 USD など。ゼロカットで守られる範囲の話をする前に、そもそも持ち越しのコストが乗る点に注意してください。
口座単位で発動するが、規約違反時は合算される
マイナス残高保護は取引口座ごとに判定されるため、平常時は、ある口座がマイナスになっても他の口座の資金が勝手に充当されることはありません。
ただし顧客契約 11.2条(B) は、デフォルト事由に当たると判断した場合に「顧客の複数の口座を合算し、残高を相殺できる」と定めています。「口座ごとに独立している」のはあくまで平常時の話で、規約違反が疑われた局面では前提が変わります。
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【FAQ】Exness(エクスネス)のゼロカットについてよくある質問


Exness(エクスネス)のゼロカットまとめ


Exnessのマイナス残高保護は、入金額以上の損失を負わないための仕組みとして確かに機能します。ただし広く紹介されている「即時執行」「両建てでも執行」「ミッド価格で判定」の3点は、公式の記載と食い違っています。
- 公式用語はマイナス残高保護とNULL操作。「ゼロカット」は日英ヘルプに0件
- 発動条件はすべての注文がストップアウトで決済+残高がマイナスの2つ。履歴の D-null で確認できる
- 公式は「リセットされるまで待つことを強くお勧めします」「待てないなら新しい取引口座を作成して」と案内している
- 両建てには効かない。有効証拠金がマイナスでも残高がプラスなら対象外で、公式がXAUUSD 1ロットの計算例まで載せている
- 「複数口座でゼロカットを狙う」は顧客契約 PART C 2.5条が名指しする禁止類型
- 「ミッド価格」「仮想バッファ」は公式に存在しない。ストップアウト保護は常に使えるとは限らず、戦略が依存していると無効化されうる
- ストップアウトは全口座0%だが株式は100%に上がることがある。マージンコールはスタンダード系60%・プロ系30%
- 取引できる銘柄は口座タイプで241〜31と差がある。完全ヘッジの必要証拠金は全銘柄で0
マイナス残高保護は「収益を作る仕組み」ではなく「入金額より下に落ちないための下限」です。ストップアウトの水準・マージンコールの水準・自分の口座に何のカスタム条件が付いているかを把握したうえで、ロットを管理するのが正しい使い方になります。
その「下限」自体を持たない業者もあります。Axiは日本向けの口座にマイナス残高保護がなく、ロスカットを突き抜けた分は顧客の債務になります。自動で処理するExness・申請制のVantage・保護なしのAxiという3つの違いは、こちらにまとめました。




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